出産
ついに出産当日を迎えます。陣痛が始まってからは記憶が曖昧なところがあり、後で主人から聞いた内容もあるので、主人の投稿「7月21日立会出産に行ってきました」と内容が被る部分もありますが、私視点での出産体験も書いておこうと思います。
当日朝~陣痛~出産
39週3日の朝、トイレへ行くとおりものシートに茶ではなく鮮血のおしるしが出ていました。午前中に健診へ行き、この日は前回からの体重変化はありませんでした。祝日明けでいつもと曜日が違い、予定日直前の健診でしたがいつもと違う女医さんに診ていただきました。おしるしの件を伝えましたが内診では「子宮口3cm開いてるけどまだまだだからいっぱい歩いてね」と言われ、子宮口付近をいわゆる“内診グリグリ”されました。女医さん容赦なし…唸るほどの痛さでした。胎児の推定体重は3000gくらいと言われました。内心、産むの大変になるから3000超えないくらいで産みたいなと思っていました。
家まで散歩がてら遠回りして帰りましたが、途中で結構強いお腹の張りと痛みがあり、また内診後の刺激かなと思いつつ休み休み歩きました。帰宅後、朝できなかった洗濯を回しながらお昼ご飯の準備をして11時半頃になってもまだ痛みが治まらず、念のため時計を見ながら痛みの間隔を計ってみると、12時前後には10分ちょっとになっていました。この時はまだ陣痛かどうかはわかっておらず、産院からも「10分じゃまだまだ笑う余裕もあって産まれないから、10分切って痛みに耐えられなくなったら来て」と言われていたので、痛みを我慢しながらお昼ご飯を食べ、午後から出勤するか迷って結局仕事PCだけ持って帰って来ようと決めた主人を見送り、洗濯を干し終わると、その後下痢になりました…。単に冷たいものを食べてお腹を下したのかもと思いましたが、13時を過ぎても痛みが10分前後で訪れます。すぐにネットで調べたら、陣痛時、痛み方が下痢のようになるだけではなく実際下痢になる場合もあると知って(事前に出しておくことで、分娩中にいきんでも便が出ないようにするとか)、ようやくこれは陣痛なんだとわかり、陣痛タイマーアプリ「陣痛時計」でしばらく痛みの間隔を計り続けました。主人にもこまめにLINEで状況を伝えます。
14時過ぎには腰への痛みが増し、たまごクラブの付録「陣痛のかわし方テク10選」に載っていた1人でもできる「テニスボールの上に座る」「声を出す(痛い~!と言っていました)」をしながら耐えますが、痛みの間隔も5~10分くらいになり(痛すぎて陣痛時計のボタンを押すのが遅れることも…)、外のセミの鳴き声がやけにうるさく感じたり(もともと閑静な住宅街なのですが)、身動きが辛くなってきたりで、急に1人が心細くなってきました。
15時過ぎには夏だというのに冷や汗で寒気がして泣けるほどの痛みになり、15時半頃産院に半ベソ状態で「痛みの間隔がもう10分切っていて、そろそろ1人で身動きが取れる自信がなくなってきたので向かってもよろしいでしょうか」と確認しました。行っていいことになったので事前に登録しておいた陣痛タクシーに配車依頼の電話をしました。通常の番号の方には繋がらず、予備の自動音声の方にかけると「○○様、およそ、5分で、到着致します」と言われたので、必死に動いて着替えていたら、本当に5分ほどでインターホンを鳴らされました。ドライバーさんに外で待っていてもらい、用意しておいた入院バッグの一部(自分で持っていく物と後から主人に持ってきてもらう物とで分けていました)を持って、タクシーに乗りました。
産院までは通常徒歩で10分弱の距離なので、タクシーだとすぐに着きました。親切なドライバーさんで入口まで歩いて付き添ってくれました。受付に声を掛けるとまだ診療時間中でしたがすぐ診察室に通され、内診してもらうと子宮口は4~5cm大とのことで、すでに痛いのにまた子宮口をグリグリされ、16時過ぎに入院が決まりました。主人と実母にすぐ入院の旨連絡を入れました。一度病室に荷物を置いたところで「進みが速いから分娩室に移動しましょう」と言われ、部屋でもっと10時間近くいるものだと思っていたのでびっくりしました。慌てて主人に連絡しようとするも、痛みでLINEもまともに打てず誤字だらけの状態で送信…意味が伝わればいいやと直す余裕もありませんでした。
17時前に主人が到着しました。助産師さんと主人に腰をさすってもらいながら、あとは死にそうになりながら激痛と格闘です。私の場合、腰にもともと腰椎すべり症と椎間板ヘルニアがあり、陣痛の時もお腹ではなくとにかく腰が痛かった気がします。いきんではいけないのは知っていたのでヨガの深呼吸を頑張りましたが、途中からはどうしても声も一緒に出していないと耐えられなくなりました。分娩台の上で、会話もままならない状態で、波のある陣痛ではなくずっと引かない腰の痛みで身動きが取れませんでした。同じ姿勢でいるのも辛かったので、時々ほんの一瞬あるかないかの痛みの隙間に思い切って寝返りをうちます。
18時過ぎ、入院患者の夕食の時間がやってきました。ちらし寿司と茶碗蒸しだったそうですが、普段食いしん坊な私でもこの時は食べに行く余裕などありませんでした…。メニューを聞いた時は食べたいな、と思いはしましたが、痛みのせいでお腹の空きも感じませんでした。もったいないので主人に食べてもらいました。主人がいない間に主治医の先生が来て、子宮口をグリグリして破膜させ「破水したからこれで進むと思うよ」と言っていた記憶があります。破水した感じははっきりとわかり、温かくて気持ち良かったです。
19時過ぎ、お産を進めるために少し歩くことになりました。痛みの隙間でなんとか起き上がり、トイレに行った後、入院患者用の談話室のテーブルとイスでヨガの「子どものポーズ」をしながら、陣痛中のために買っておいたウィダーインゼリーで栄養補給をしました。しかし痛みは続いています。途中入院患者が来ましたが、私はなりふり構わずうなり続けていました。もうテニスボールに座っても痛みは引きません。さすってもらうのも、気持ちいい時もあれば痛く感じてしまう時もあって、もう一概に「これをしたらいい」というのがなくなってきている感じでした。「子どものポーズ」を取る用のイスにも座らせてもらいましたが、お尻をかなり突き出して背中を鋭角に倒す姿勢が楽だったので、普通のテーブルとイスの方が自分で調整できて楽でした。この時主人にしてもらった腰の指圧はかなり気持ち良かったです。
20時頃、また隙を見て分娩台へ戻りました。そういえば最初分娩台が、腰付近に継ぎ目が大きく開いており、そのせいで寝辛くて余計痛かったというのもありました。途中看護師さんが気付いてくれて、パッドか何かを敷いて継ぎ目を塞いでくれました。そして「もっと上に寝た方がいいよ」と言われたので従いました。分娩台の寝方を知らないままいたので、言う通りにしたら体勢がだいぶ楽になりました。
少しだけ余裕ができたためか、いつの間にか窓の外が真っ暗になっていることに気付きました。主人に飲み物と腰さすりのサポートを受けつつ途中からNSTを付けてひたすらいきみ逃しをします。21時頃、子宮口が全開になりました。どこかで「頭が見えるけどまだ出てくる感じじゃない」と言われます。しばらく、まだいきんではいけないと思って必死にいきみ逃しをしていましたが、ある時いきなり「今のところ(NSTの山)でいきんでみようか」と言われて「いいなら早く言ってくれ~!」と内心突っ込んでしまいました(笑)。陣痛の波をはっきりと感じます。この時もう腰は痛くなくなっていました。
いきみは、便を出すような感覚でした。出そうでなかなか出なくて、頭の中ではヨガのいきみの方向に骨盤を動かすやつを思い浮かべながら、波に合わせていきみます。肺活量が少ないせいで息が続かず、1度ではいきみきれません。波の最大に合わせていきむためにギリギリまで待って呼吸を整えるのに一苦労しました。だんだんお腹が疲れ、力が入らなくなってきました。いきみ出してから時間はかかっているけど赤ちゃんの心拍はかなりしっかりしているとのことで、まだしばらく続けることになりました。あまり時間がかかると赤ちゃんが弱ってしまい吸引分娩になる可能性もあったのですが、自分としても、腰の痛みがなくなっただけでだいぶ楽で、まだまだ頑張れそうと思っていました。
22時半頃、「そろそろ準備しましょう」と言われて足を固定されました。もうすぐかと思うと改めて力を出せそうでした。23時過ぎ、主人からも「頭見えたよ!」と言われて嬉しくなり、「早く出て!」と思っていきむ長さを意識して長くしようと努めました。最後の方で、また激痛がやってきます。もうちょっとだと自分でもわかりました。助産師さんが、私がいきみを開始してからほぼずっといきみに合わせて会陰を押してくれていたのですがそれがとても良くて、膣周辺に切れそうな痛みが走っても会陰を押し込んで伸ばして裂けないようにしてくれていました。最後は結局、主治医の先生が来て会陰切開することになりました。当日までは、会陰切開後の痛みが怖くてできればしたくないなと思っていましたが、その時にはもう「切った方が出やすいなら切ってくれ~!」と全く躊躇はありませんでした。麻酔する時に「チクっとする」と言われたのですが、私は腰痛時のペインクリニックでその痛みには慣れているし、実際あの時はそれ以外の痛みがあったので、何かでつつかれた程度の感触しか感じませんでした(笑)。麻酔のおかげで切られる痛みは一切ありませんでした。麻酔が切れたら痛いんだろうなと思う余裕までありました。
23時41分、最後の踏ん張りと先生の介助でようやく出産しました! 赤ちゃんの産声は少ししてから聞こえました。先生に時間を告げられ、へその緒が切られ、分娩台の横の保育器へ入れられて、助産師さんに身体チェックされます。真横なので、顔も見えました。可愛い…私と主人の子なんだ…産まれたての赤ちゃんはもっと可愛くないものだと思っていましたが、髪もしっかり生えて目もぱっちり開いていて、凄く可愛いと思いました。と同時に出産の壮絶さとこれまでの長い妊娠生活の辛さが思い返されて、感動と達成感で涙が止まりませんでした。
胎盤も出されて、会陰縫合をされました。胎盤ってあんなぷりぷりで両手に乗るくらいの感じなんですね…一瞬プラセンタのことが頭を過ぎりましたが、まさか食べられますかとは言い出せず(笑)。赤ちゃんを横目に見ながら会陰縫合されていましたが、痛くて痛み逃しにふーーーと長く息を吐く呼吸をしていたら、先生に「過呼吸になるから普通に呼吸して」と注意されてしまいました。密かに「痛い~」と呟きながら、仕方ないので主人に話しかけて気を紛らわしていました。
縫合が終わって(先生、多分切開も縫合もとてもお上手だったのだと思います。1~2日くらいしかトイレも沁みなかったし、座るのもたいして痛くなくてドーナツクッション不要なくらいでした)、先生から入院の説明を受けました。その後赤ちゃんのカンガルーケアもしました。腕の中で添い乳します。この子がずっと10ヶ月もお腹の中にいたのかと思うと、とても愛おしくて神秘的な気分でした。赤ちゃんの呼吸が少しぜーぜー言っていたのが気になりましたが、助産師さんは聴診器でも診てくれていましたし、大丈夫とのことでした。写真を撮ったり、夜中でしたが実家に電話したりしました。
産んだ後は痛みから解放されてケロッとしていましたが、これが立ち会い出産でなかったらもっとキツかっただろうなと思いました。腰のマッサージが主人でなければ、助産師さんや看護師さんには遠慮で的確な場所の指示などできなかったと思います。主人だったから、無言で手の位置を「こっち!」とずらしたり、「こうして!」「今はこう!」と痛み方や場所が変わってもすぐ対応させられたと思います。主人のおかげで乗り切れ、本当に感謝でいっぱいです。
出産直後
分娩室は2階だったのですが、入院の部屋が1階とのことで、トイレに寄ってから移動しようとするも、分娩台で上体を起こした時点でふらぁ~…。夕飯を食べていませんし、体力を使ったからか、いつもの耳が遠くなって視界が白くなる脳貧血を起こしました。車椅子を持ってきてもらいトイレへ行きましたが、物凄く尿意があるのに何故か一滴も出る気配がありません。後からわかったのですが、全力でいきんだ時間が長かったため、尿道周り(外陰ら辺?)がタラコのように腫れ上がってしまっていたそうです。その晩は、1階まで下りるのが危なそうとのことで、2階の相部屋(本来は個室)に入ることになりました。時刻は午前2時を回っていて、主人はここで帰ることになりました。私はその後ベッドで助産師さんに導尿してもらいました。結構溜まっていたようで、とても楽になりました。
1人になり、夜中だったのですぐ休もうと目を閉じると、分娩中の辛かった状態がフラッシュバックしてしまい、興奮して寝付けないどころか呼吸も苦しくなったので、ナースコールで助産師さんを呼びました。血圧を測ると、普段上が100前後の私が見たこともない160台まで上がっていました。妊娠後期から、横になるのも辛くビーズクッションにもたれて寝ていたことを言うと、院内にもビーズクッションがあるとのことで、貸してもらえることになりました。徐々に呼吸も落ち着いてきて、外が明るくなってから少しうとうとでき、食欲も急激に湧いて、朝食は完食でした!
後陣痛が酷くて痛み止めをもらったり、外陰ら辺の腫れにラベンダー湿布を作ってもらったり、母児同室だったので夜中心配事がある時に看護師さんに来てもらったりと、いろいろお世話になった入院生活でした。
体重推移結果
主治医の先生から体重増加は+8kgまでと言われていましたが、なんとか+7kgで抑えることができました。妊娠前体重を0とすると、産後4日目には+3.5kgのところまで落ち、産後1ヶ月には-1.0kgと妊娠前より落ちました。産後4ヶ月の今では、運動はほとんどせず間食しまくりの物凄い食欲なのですが、完母のためさらに落ちて-4.0kgとなっています。「マタニティライフ~妊娠初期編~」にも書きましたが、妊娠前の1年間でギリギリ標準内ではあったものの過去最高に太ったので、今後は運動も合わせてあと3kgくらい落ちないかなぁと目論んでいるところです(笑)。
+α
手続き関係
産後1ヶ月は実家に里帰りすることになっていたので、その間に手続きしなければならないものを主人に託すための準備として、Excelに「手続き内容」「手続きするところ」「期日」「必要書類」等をあらかじめまとめておきました。主人に託したのは以下の手続きです。
- 出生届提出→出産日含め14日以内に手続きします。出生届の用紙は産院から貰えます。
- 児童手当申請→出産日含め15日以内に手続きしないと損します。
- 出生連絡票→明確な期日はありませんでしたが児童手当申請時に出してもらいました。
- 健康保険加入→1ヶ月健診までに用意できるよう主人に会社で申請してもらいました。
- 小児医療費助成→子の保険証が必要なので、健康保険加入後の手続きになります。
私は会社員で産休・育休を取得するので、勤め先に「出産手当金」と「育児休業給付金」の申請手続きをしてもらうための必要書類を提出しました。また、来年4月からの保育園を考えているため、入園申請に必要な「雇用証明書」を書いてもらう依頼をしました。
- 出産手当金申請→あらかじめ勤め先から受け取っていた申請用紙を入院中に産院で記入してもらい、勤め先の担当者に郵送しました。申請できるのが産休終了・育休開始後(産後57日~)なので、あまり急ぐ必要はありません。
- 育児休業給付金申請→振込先通帳のコピーと親子関係が記載されている住民票を勤め先の担当者に郵送しました。こちらは育休開始後(産後57日~)からさらに2ヶ月過ぎないと申請できないものなので、産後3ヶ月過ぎた頃に送りました。
- 雇用証明書記入依頼→次年度版の保育園入園申請書類が10月上旬頃から役所HP等に公開されるので(地域によって時期は異なります)、ダウンロードして勤め先の担当者に添付メールを送り、記入して郵送してもらうよう依頼しました。復職時期や復職後の働き方等証明書に書くところがあるので、事前に担当者との打ち合わせが必要です。私はメールや電話で相談しました。
いただきもの
妊娠・出産祝いにいろいろいただきました。大事に使わせていただきます。